どうも!八郎です!!
HCU(高度治療室)に収容された八郎。
のどの渇きに苦しんでいる間に
別の所では別のストーリーが展開されていいました。
八郎の両親と彼女が病院に呼び出され
主治医から現状と今後の治療についての説明が行われている最中です。
それでは、続きをどうぞ!
Contents
今晩が「峠」です
![](https://i0.wp.com/eightblog-diet.com/wp-content/uploads/2020/06/3638253_m.jpg?fit=728%2C486&ssl=1)
心不全。
息子の、そして彼氏の病状が、あっけらと語られ
その場にいる全員が呆然となる中
さらに、主治医の説明は続きます。
主治医「で、今後の治療方針なんですが」
父・母・彼女「(コクコク)」
主治医「まずは、活動が3割程度になっている心臓を処置します」
主治医「長年放置された高血圧によるダメージで」
主治医「結果、心臓が弱り心筋炎の状態になっていると推測され」
主治医「まずは弱っている心臓がどこまで戻るのか、最善を尽くします」
主治医「また、併せて、肺や心臓周囲に溜まっている水分の除去を行います」
主治医「もし、治療がうまく行って、小康状態になれば、次は血圧の治療に入ります」
?うまく行って???
それって、うまく行かないって事があるってこと?
まるで
「うまく行かない可能性がある」
みたいな言い方です。
そもそも、うまく行かない
ってどういう事なんでしょうか?
父「。。。うまく行って、と仰られましたが、うまく行かない、という事もあるという事ですか?」
八郎の父が声を震わせながら鋭く質問します。
母は下にうつむき、今にも泣きそうです。
主治医「正直申し上げまして、今晩が『峠』です」
父・母・彼女「」
たら・れば
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今晩が峠。。。
ドラマでしか聞かないような
医者のお約束セリフをこんな所で聞くことになろうとは。。。
全く信じられない思いです。
ついさっきまで
バックミュージックに救急車のサイレンが聞こえていたものの
比較的元気な八郎の声を聞いていたので
そんな人間が生死の淵を彷徨っているなんて
全く実感がわきません。
今晩が峠。。。
生命の危機に立たされている。。。
にわかに信じがたい話です。
母「息子に。。。八郎に会わせて頂けませんか?」
主治医「わかりました。この後、少しであれば時間を設けます」
母「ありがとうございます。。。」
母は安堵して下を向いて身体を震わせています。
父は苦虫をかみつぶしたような表情で
唇を真一文字に結び、前を見つめています。
あまりに展開が急すぎて
医者から聞く言葉に、現実味が無くて
気持ちが全くついて行きません。。。
主治医「もし、仮に治療がうまく行ったとしても。。。」
そんなざわついた気持ちを知ってか知らずか
主治医がぽつりと話し始めます。
その内容が、また、耳も疑う物でした。
主治医「心臓の動きが元通りにならない可能性があります」
父「」
母「」
彼女「」
今夜が峠 ▶ 下手したら今晩死にますよ
これだけでも十二分にショッキング過ぎて、気持ちがどうかある中。
心臓の動きが元通りにならない ▶ ???
どうなってしまうのでしょうか?
ペースメーカー
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父「。。。元通りにならないとどうなるんでしょうか?」
恐らくその場にいた誰もが抱いた疑問です。
主治医の次の言葉を待ちます。
主治医「。。。どれくらい回復するかにもよります。ただ、最悪ダメージが大きい場合、回復しない可能性もあります」
主治医「現状の心臓は、正直なところ、いつ止まってもおかしくない状況です」
主治医「そのような状況のままでは良くないので」
父・母・彼女「。。。」
主治医「ペースメーカーの導入を考えています」
。。。ペースメーカー。
今はそれ程言われなくなりましたが
「携帯電話の電波が、ペースメーカーに悪影響を及ぼすから。。。」
という話で、電車の優先席などでは携帯電話の仕様を控えるように言われた、
あの
ペースメーカー
命が助かるだけ、ありがたい話なんですが。
しかし、その後の人生が色々大変になる事が間違いなさそうです。
三人で顔を見合わせて、またモニターを見つめます。
もう、視線の持っていきどころがなくて。
選択肢が下を向く一択になっています。
主治医「まだ、これは可能性の話です。とりあえずは治療がうまく行くことを祈りましょう」
父「。。。そう。。。ですね」
とにかく、今は治療頼み、という事でしょうか。
うまくいくか、いかないか。
で、今後の人生が大きく変わりそうな事がよくわかりました。
主治医「入院についての説明は別の物にさせます、病状について何か質問はありますか?」
父「。。。いえ、今は息子の回復力に賭けるしかありませんね」
そう言うしかない状況です。
ネガティブな事をあれこれ質問しても
気持ちが沈むだけになりそうです。
まずは、治療がうまく行くかどうか
ここに託すしかありません。
母「あの。。。息子には会えますでしょうか?」
主治医「わかりました。準備が整い次第、案内させますのでまた、待合室でお待ちください」
(次回へ続く)
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