HCU(高度治療室)―不摂生がもとで死にかけた話(13)―

どうも!八郎です!!
本日の1日のこれまでの診断で

✅心臓の動きが人の30%
✅高血圧 上が240 下が160
✅心不全
✅ウイルス性心筋炎(◀これは後に違う診断がつく)
✅肺に水がたまっている
✅心臓が水びたし

という、心臓系の病気の総合デパートと化していた八郎。

点滴
☑ちん○に管(採尿)
☑24時間心電図
☑酸素マスク

と身体中管だらけになってストレッチャーで運ばれて行きます。
八郎が運ばれた先とは。。。

それでは、続きをどうぞ!!   

HCU(High Care Unit)

ストレッチャーのまま、
何回か自動ドアを潜り抜けた後に、
大きな部屋に連れて行かれる八郎。

             

そこには病床が6床くらい。
看護師がその中に常駐しつつも、
すぐそこの詰め所からも中の様子が伺える状況。
ちなみに病床に伏せている患者さんは、
ほとんど横になったまま動いていません。

              

浅はかな八郎は
「これってひょっとしてICU(集中治療室)ジャマイカ。。。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
と戦慄します。

          

実際は八郎が運び込まれたところは、
HCU(高度治療室)といって、
集中治療室の1歩手前の重篤な患者が収容される病室。
非常に危険な状態であることに変わりはありません。

            

ポータブルだった酸素マスクは、
病室のものとつなぎかえられ。
血圧や心拍数、血中酸素濃度などが、
リアルタイムにモニタリングされています。

    

看護士「基本、ベッド内で安静になります」

八郎「(コクコク)」

看護士「何か問題がありましたら、このボタンを押してナースを呼んでください」

八郎「(コクコク)」

看護士「水を飲みたくなったら、ボタンを押してくださいね」

八郎「(コクコク)」

    

そういうと、看護士も八郎の元を離れて行きます。

             

最初はバイタルサインが常にモニタリングされている画面を、
ものめずらしく眺めていたのですが。。。
そんなのはものの3分で飽きてしまいます。

           

気がつけば、広い病室の1画に仰向けになる自分と。
左手に点滴とモニター。
ベッドの下には採尿の容器。

                

そして、のどがカラカラに渇き、唇が干上がり、
水が飲みたくて飲みたくて仕方が無い自分が、
そこにいるのでした。   

HCUの様子

看護士「○○さーん、吸引しますよー」

    

そういう看護士の声がする方向に目をやると。
看護士が何やら機械を運びながら
声かけした患者に近寄ります。

   

きゅういん???

    

全然何が行われるのかわからなかったので様子を伺っていると。

               

管みたいなのを口をあけてのどにさしこんでいきます。
そして、準備が整うと、機械のスイッチが入れられます。

    

機械「ガガガガガッ」

患者さん「ううう、おええっ(えずいている様子)」

看護士「○○さん、頑張ってくださいねー」

    

ここで初めて痰を吸引していることを悟ります。
痰を自力で排出できないほど、
重篤な患者さんが収容されている病室。。。

         

また暫くすると

   

看護士「××さーん、ちょっと体制が悪くなっているから、身体動かしますねー」

   

といって、看護士が支えながら一生懸命床ずれを直しています。
おそらく、自力で身体を動かすことが出来ないのでしょう。

                

自分の身体の重篤さを身にしみて感じる状況です。

          

これは検査入院などではない。
冗談抜きで、ガチで、
本当に(自分の身体は)ヤバイくて緊急入院しているんだ、
と言うことを実感します。   

のどの渇き

そんな状況もさることながら。
今の自分の状況は、

    

ひたすらのどが渇く
✅発熱しているからか、非常に暑い(熱い?)

    

という2つの感覚に支配されています。
ナースコールをすれば、すぐに水は飲ませてもらえます。
しかし!
なんと1日250ccしか飲めないと言う苦行が。。。

              

今までは、お茶もジュースも飲み放題飲んでいました。
やたらのどが渇いていたので、
1日1.5リットルのペットボトルを1日で平気で空けていました。

                

それが。。。今日から。。。
たったの250cc。。。(笑)

             

250cc。。。1.5リットルの1/6しかありません。
それを1日持たせるとか、どう考えても無理です。

                  

しかし発熱のせいか、身体は火照り。
のどは干からびた田んぼの地表のように、
ひび割れするかのような渇きを覚えます。

           

まったく我慢できず
早くもナースコールに手が伸びます。

     

看護士「はーい、どうされましたー?」

八郎「水が…のみたいです…」

看護士「はーい、どれくらい飲みます」

八郎「」

    

答えようがありません。
今なら一瞬で全量飲み干せるんですが、
水が支給されたのはほんの30分くらい前。
今飲み干せば、次の支給は23時間30分後です。

                

たぶん、23時間30分も水分が摂れなかったら…
ツタンカーメンも羨むミイラになっている自信があります。
(実際は点滴を受けているので、問題無いとは思いますが)

     

看護士「。。。とりあえず1/3くらい注ぎますねー」

      

答えないデブに業を煮やしたのか、
勝手に1/3ほど吸い飲みに移してくれます。
全部移さないところに、
やはり24時間の管理の難しさがあるのでしょう。
全部注いで放置されていれば、
一発でなくなるのが目に見えています。    

水のありがたみ

ゆっくり口に含み、
水分を乗せた舌で唇を湿らせ、
生まれて初めて30秒くらい、
口をゆすぎにゆすいで口内を湿らせ、
そしてゆっくり飲み込む。。。

          

最後のほうはぬるま湯みたいになっていましたが、
それでも、とてもありがたい。
こんなに水のありがたみを感じたのは生まれて初めてでした。
砂漠で彷徨い、喉がカラカラに乾いたときに飲む水は
こんな感じなんだろうか…

         

熱で朦朧とする意識の中、
そんな気持ちになったのは今でも忘れられません。

              

しかし、のどを通り過ぎて行った水は、
胃に届く前に蒸発してしまったかのように、
またもや猛烈な乾きが襲い掛かってきます。

            

こんな思いを後23時間30分もしないといけないのか。。。

            

自分の病状など頭から消えてなくなり。
どうやってのどの渇きをごまかしていくのか。
八郎がのどの渇きと対峙する、
長い夜が訪れようとしていました。
(次回へ続く)

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